このマニュアルでは、opensource COBOLの最新版に実装されているプログラミング言語COBOLの構文、意味、利用法について紹介する。
opensource COBOLとはOSSコンソーシアムで開発・公開しているCOBOLコンパイラであり、2012年にOpenCOBOL(開発者Keisuke NishidaさんとRoger Whileさん)からフォークし、PIC N(2バイト文字)を代表とする日本語拡張や国産汎用機の互換性機能など、日本の商習慣に応じて独自機能を追加したプロダクトである。
opensource COBOLはCOBOLをC言語にトランスレートし、gccなどのCコンパイラでバイナリを生成する。
Linux用として開発されたが、Mac OSや、Linux互換の仮想環境であるCygwinやMinGW1
を利用することで、Windowsでも構築可能である。またCコンパイラや、リンカー/ローダーを提供するMicrosoftのVisual Studioを利用することで、ネイティブWindowsアプリケーションとして構築できる。
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MinGWはたった一つのDLLでopensource COBOLコンパイラやランタイムを作成して、opensource COBOLのツールとユーザプログラムが利用できる。DLLはGNU一般公衆利用承諾書(General Public License)の定める条件下であれば無償で配布が可能である。MinGWによって構築されたopensource COBOLは、128MBのフラッシュドライブに簡単に適合して実行でき、利用時にWindowsにソフトウェアをインストールする必要もない。ただし、同時に実行しているopensource COBOLプログラム間でのファイル共有処理や、特定のファイル型のレコードロッキング処理など、一部の言語機能は利用できない。