次に、cobcコマンドの構文とオプションスイッチについて説明する。この情報は「cobc--help」のコマンドを入力することで表示することができる。
使い方: cobc [options] file...
オプション:
--help このメッセージを表示します
--version, -V コンパイラのバージョンを表示します
-v コンパイラが起動したプログラムを表示します
-x 実行可能プログラムをビルドします
-m 動的ロード可能モジュールをビルドします(デフォルト)
-std=<方言> 指定した方言に基づいて警告/機能します :
cobol2002 Cobol 2002
cobol85 Cobol 85
ibm IBM互換
mvs MVS互換
bs2000 BS2000互換
mf Micro Focus互換
default 指定しない
config/default.conf および config/*.conf を参照してください
-free 自由形式を使用します
-free_1col_aster 自由形式(かつ第1カラムの*を注釈行の標識とみなす)を使用します
-fixed 固定形式を使用します(デフォルト)
-O, -O2, -Os 最適化を有功にします
-c Cコンパイラのデバッグオプション/スタックチェック/トレースを有効にします
-debug すべての実行時エラーチェックを有功にします
-o <ファイル> 出力先を <ファイル> にします
-b すべての入力ファイルをひとつに結合します
動的ロード可能モジュール
-E 前処理のみ; コンパイルやリンクを行いません
-C トランスレートのみ; COBOL から C へ変換します
-S コンパイルのみ; アセンブリファイルを出力します
-c コンパイルとアセンブルを行い、リンクを行いません
-t <ファイル> プログラムリストを <ファイル> に生成します
-I <ディレクトリ> COPY/INCLUDEの探索パスに <ディレクトリ> を加えます
-L <ディレクトリ> ライブラリの探索パスに <ディレクトリ> を加えます
-l <lib> ライブラリ <lib> をリンクします
-B <options> Cコンパイルフェーズに <options> を追加します
-Q <options> Cリンクフェーズに <options> を追加します
-D <define> Cコンパイラに <define> を渡します
-conf=<ファイル> ユーザ定義の方言設定 - -std=を参照してください
--list-reserved 予約語の一覧を表示します
--list-intrinsics 組み込み関数の一覧を表示します
--list-mnemonics 作成者語の一覧を表示します
-save-temps(=<dir>) 中間生成ファイルを保存します (デフォルトはカレントディレクトリ)
-MT <target> 依存関係リストで使用される対象ファイルを指定します
-MF <ファイル> 依存関係リストを <ファイル> に生成します
-ext <extension> 既定のファイル拡張子を追加します
-assign_external すべてのASSIGN句に省略値EXTERNALが指定されたとみなします
-reference_check 実行時の参照チェックを有効にします
-constant(=<name"value">) $IF 文で評価する定数名 <name> に 値 <value> を設定します
-W すべての警告を有功にする
-Wall 以下を除くすべての警告を有功にする
-Wobsolete 廃要素が使われていれば警告する
-Warchaic 古い仕様が使われていれば警告する
-Wredefinition データ項目の再定義を警告する
-Wconstant 不適切な定数を警告する
-Wparentheses OR と AND が括弧なしで並んでいれば警告する
-Wstrict-typing タイプの不適合を厳密に警告する
-Wimplicit-define データ項目の再定義を警告する
-Wcall-params CALLのパラメタに指定された01レベルおよび77レベル以外の項目を警告する
(-Wall指定時は適用されません)
-Wcolumn-overflow 72 桁を越えるテキストを警告する(-Wall指定時は適用されません)
-Wterminator 終止符(END-XXX)がなければ警告する(-Wall指定時は適用されません)
-Wtruncate 項目の切り詰めの可能性を警告する(-Wall指定時は適用されません)
-Wlinkage 使われない連絡節項目を警告する(-Wall指定時は適用されません)
-Wunreachable 実行されない文を警告する(-Wall指定時は適用されません)
-Wcompat コンパイラ実装間で非互換を発生しやすい記述を警告する(-Wall指定時は適用されません)
-ftrace トレースコードの生成(実行された節/段落の追跡)
-ftraceall トレースコードの生成(実行された節/段落/文の追跡)
-fsyntax-only 文法チェックのみ。何も出力しない
-fdebugging-line デバッグ行(標識領域に'D')を有効にする
-fsource-location ソース行情報の生成(-debugか-gで有効)
-fimplicit-init Cobolラインタイム初期化の自動実行
-fsign-ascii ASCII符号で数字を表示(ASCII機のデフォルト)
-fsign-ebcdic EBCDIC符号で数字を表示(EBCDIC機のデフォルト)
-fstack-check PERFORM実行スタックのランタイムチェック(-debugまたは-gで有効)
-ffold-copy-lower COPYブック名の小文字化(デフォルトは変換なし)
-ffold-copy-upper COPYブック名の大文字化(デフォルトは変換なし)
-fnotrunc 2進項目のPICTURE句に合わせた切り詰めを行わない
-ffunctions-all 組み込み関数使用時のFUNCTIONキーワードの省略を許す
-fmfcomment 第1カラムの'*'と'/'をコメント行標識と解釈する(固定形式のみ)
-fnull-param CALL文のパラメタにNULL終端ポインタを追加して受け渡す
2章で説明したように、プログラムコンパイルユニットは、単一のソースファイルで順番に定義された複数のプログラムで構成されている場合がある。「cobc」コマンドで複数のソースファイルを指定することにより、「cobc」コマンドを1回実行するだけで複数のコンパイルユニットを処理することが可能になる。